emily

ノック・ノックのemilyのレビュー・感想・評価

ノック・ノック(2015年製作の映画)
3.4
子供二人と妻と4人暮らし。幸せを絵に描いたような家族。ある日家族は旅行へ、夫は仕事のため一人残る事に。大雨の日、ノックの音を聞き玄関を開けるとそこにはびしょ濡れの若い女性が二人立っていた。親切心から家にあげ、タクシーを呼んであげる事にするが、誘惑に負けてしまい、一夜を共にしてしまう。その過ちが地獄を引き起こす・・

 幸せそうな家族の姿を冒頭にしっかり見せ、そこからの逆転がすさまじい。女二人は玄関に立ってる時から、どこか薄ら笑いを浮かべ、からかってるようにしかみえない。しかし夫は人として当たり前の事をし、誘惑されれば男として断る訳にはいかない。男には来客が若い女二人であるという隙ががあり、そこを見事に逆手に取られ、負けるはずのない相手に上手く丸め込まれていく刹那に胸が苦しくなる。彼女たちは無知で残酷で、ゲーム感覚。だから容赦ないし、そこに痛みを一切感じない。女の怖さと男の情けなさが見事に交差した、後味はさらに恐怖しか残さない作品。まさに生き地獄しかこの後には待っていない。天国の代償・・それは死でも償えない重い物。心の傷は死より重い
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