JunIwaoka

天使が消えた街のJunIwaokaのレビュー・感想・評価

天使が消えた街(2014年製作の映画)
3.0
2015.9.5 @ ヒューマントラストシネマ有楽町

この手の映画は日本ではウケないよなぁという印象。
イタリアのシエナで実際に起こった留学生の殺人事件に感化された監督が、映画化に向けて取材に現地入りし右往左往する中で、夢想する被害者の心情に自身の苦悩を重ね合わせ、ダンテの『神曲』をなぞりながら愛を語ろうとする。サスペンスものとして犯人は?真相はなんなのか?という観客の興味は一切消化させられず、監督自身の混沌とした悩みに付き合わされる。この映画は一体、、、とぼんやりしてたら終盤、お馴染みのストリングスによる壮大なスコア(今作はマイケル・ナイマンではないみたいですが)によって、あぁこれはサスペンス映画なんかではなく、マイケル・ウィンターボトム・フィルムなんだーというとことで負に落ちた。
なかなか煮え切らない監督に寄り添う女子大生メラニーが本当美しくて、たどり着くラストの境地はまぁ分からんではないかなっといったところ。

邦題はサスペンスものかとミスリードさせてしまうし、原題の"The Face of Angel"に納得。悪い映画ではないものの、エンドロールを眺めながら久しぶりに名作"Wonderland(ひかりのまち)"を観たいなって思いました。
それにしてもメラニーを演じたカーラ・デルヴィーニュの素晴らしいこと。ファンになりました。
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