良い意味で長い。激動の朝鮮戦争の時代を生き抜いた男の壮大な人生録。
邦画なら「ALWAYS 三丁目の夕日」が近い感覚があるが、それに過去と現在を交えた懐古録のような壮大さ。
家族映画でありながら、親友映画でもあり、長男、家長の偉大な生き様をこれでもかと身をすり減らして、父の言いつけを守る男の闘い。
幼少の頃から、とにかく激動の時代に身を委ねるかのように自身も他国に身を投じても時代の荒波に揉まれる感覚が凄まじい。一緒に人生の生き様を見届けて肩の荷を下ろしたかのような徒労感のある鑑賞感w
いい疲れだったかは鑑賞者次第。とにかくボロボロと身をやつして生き抜いたなと休んでも良いんじゃないかと思うような…w
家を支えるため、長男として家族を養うために他国に行って、大金を稼ぐ為に出稼ぎに行く勇ましさ。
ドイツ、ベトナムといずれも戦争の背景があり、命の危険も厭わない炭鉱員としても飛び込んでいく勇気。戦時に生きるためにはそんな覚悟が試される時代というのをまざまざと感じさせる。
話の背景はこれでもかと暗いのに、笑いを忘れずに絶え間なく愉快な人間味を差し込んで楽しませてくれるのが韓国映画の良い所だと演者が笑いを誘ってくれる。
もうラスト付近の対比の画が素晴らし過ぎて、これだけでも観た甲斐はあったなと実感させていただきました。
