私が乃木坂に興味を抱いたきっかけは2015年
に劇場で「心が叫びたがってるんだ。」とい
うアニメ映画を観たことだった。エンディン
グで流れた「今、話したい誰かがいる」とい
う彼女たちが歌った主題歌。軽やかなピアノ
で始まる美しい旋律、作品の世界観を見事に
投影した様な歌詞に心奪われて映画の感動が
何倍にも増してうっとりさせられた。ああ、
この曲をまた聞きたい…まだCDの発売前だっ
たこともあり結局4回も劇場に足を運ぶこと
になった。
テレビをほとんど見ない生活を送っていたの
で乃木坂ってなんぞや?今時のアイドルグル
ープはこんなにも素敵な曲を紡いでいるのか?
調べたら彼女たちは衣装のスカートも長めで
雑誌のグラビアで水着を披露したりもしない
清楚なイメージが売りらしいと知りますます
興味津々。
久しぶりに好きになったアイドル。それが乃
木坂。と言いつつアルバム聴いたりメンバー
の出演作を劇場で観るくらいのゆるーいファ
ンだけど。TVのバラエティーも見ないので彼
女たちの素顔は知らない。
そんな私が彼女たちが何を思い、何を目指し
ているのか、その一端に触れることが出来た
貴重なドキュメンタリーが今作。
予想とは違って結構な衝撃だった…
みんな人より恵まれた容姿で学校でも人気者。
さぞやチヤホヤされ恵まれた楽しい子供時代
を過ごしてきたのだろう。スクールカースト
の上位からそのまま芸能界へ…
そんな私の印象はバッサリと見事に打ち砕か
れた。
いじめ、不登校、貧困…みんな悩みや苦しみ
と戦ってきた人ばかり。
辛さから逃れるために…
自分を変えたくて…
どうしても合格したかった訳でもない…
赤裸々に語られる彼女たちの偽らざる言葉に
驚くばかり。
彼女たちにとって乃木坂とはステップアップ
と同時に自身の再生の場の色彩が濃いとの思
いを強く抱いた。
華やかに歌い踊る姿からは伺い知ることが出
来ないメンバーの心の内側に迫った見応えの
ある作品だった。
今作が公開された当時は乃木坂はまだ「追う
立場」だったけど今やすっかり「追われる立
場」になり王者の風格が漂うグループになっ
た。きっと結成時には誰も予想していなかっ
たのではないか。
ここまで来るのにメンバー全員どれだけ汗と
涙をこぼしたことだろう。その努力には心か
ら惜しみない拍手を送りたい。
ちなみに乃木坂のアルバムは毎日の様に聴い
て癒されてるし活力の源でもある。
早く新譜出して下さい^ ^