女優を発掘しエロく撮る達人である園子温の手腕が炸裂。物語は陳腐ではあるが、メインに据えている女優はどれもいい。目の保養になると同時に、夏帆に代わって抜擢された池田エライザ・尾野真千子にエロさとケバさを足したような高橋メアリージュン・正義感も兼ね備えた強い女性・サヘルローズといい面構え。
くだらない下ネタ等も笑えるし、何といっても音楽と編集のテンポがいい。物語自体はあまり前進せず、支離滅裂な部分も多々あるが、それを一気に見せてしまうのは園子温が面白おかしく作っているからか。
女子高生が好きな女子が世間に分かられず、だから女子を次々に家に誘い込みコピーを作成し欲望を満たし・・・という展開は黒幕が男と女の違いはあれど「リアル鬼ごっこ」とほぼ同じ。エロによって東三河というエリアの人間がどんどん洗脳されていくという展開も「宗教」によって扇動される空っぽな人間という園子温がよく描くテーマから派生したものだ。
近作同様ラストの展開に難がありすぎ尻すぼみしているが、それでも今年度公開されたその作品の中では「ラブ＆ピース」に次ぐ出来だと思う。
