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ヒトラー暗殺、13分の誤算のRyuのレビュー・感想・評価

ヒトラー暗殺、13分の誤算(2015年製作の映画)
3.5
1939年11月8日、アドルフ・ヒトラーは恒例の演説を悪天候のために少し早く切り上げた。そしてヒトラーが退席してから僅か13分後、仕掛けられていた爆弾が爆発。容疑者として捕まったゲオルク・エルザーは強い政治思想も持ってない平凡な家具職人であった。

冒頭から暗殺計画の実行が描かれていて、何故普通の家具職人がたった1人でこのような計画を立て、実行したのか。彼の過去を回想する形で物語は進んでいきます。そのため高い緊張感とかはそこまでなく、終始淡々としている印象でした。
人妻との恋とかは正直、何を見せられているんだ という気も多少はしましたが、この愛情や強制労働に送られた友人、ユダヤ人への差別的行為などの他人に対する想いが膨れ上がっていった結果、暗殺を企てるまでに至ったのだと思いました。しかし、それでもこうして行動を起こせる人は中々いないでしょう。ましてや1人で全てをやってしまうなんて、彼の信念の強さが伺えます。
こういった類の作品を観ると、思い浮かぶのはやはり“もし”ですね。この計画がもし成功していたら、助かった命もとんでもない数あると思います。でもこの計画の成功により、命を失う人、堕ちる人も少なからずいます。それがいい結果になったかどうかなんて誰にも分からない。
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