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怪物はささやくのKotaのレビュー・感想・評価

怪物はささやく(2016年製作の映画)
4.0
“人間は真実のつらさを和らげたくて、都合のいい嘘を信じる”

癌の母親(フェリシティジョーンズ)と二人で暮らす13歳のコナー(ルイスマクドューガル)。彼の元にある日から毎晩12時7分に怪物が現れるように。その怪物はおとぎ話を続け、コナーはそれを悪夢だと思うが、その怪物が現れた本当の理由とは。

言葉はいらない親子の愛に涙が出る。“パンズラビリンス”の制作チームとだけあり、世界観がとても似ている。ファンタジーなのは主人公だけで、それは目を背けたい現実からの逃避。あそこまでダークでは無いけど根本のメッセージは同じだよね。主役の男の子は初めて見たけど好演すぎて驚いた。フェリシティジョーンズがだんだんとやつれていくのも心が痛む。そしてコナーの祖母を演じたシガニーウィーバーが特に良かった。。コナー目線だと口うるさいおばあさんを演じてるけど、映画のシーンには出てこない第三者からの情報(夜中に娘の病院にいって椅子で寝ている事など)や表情からひしひしとやりきれない思いが伝わってくる。彼女は若い時“エイリアン“シリーズで何体ものエイリアンを葬った人でもある。そして怪物の声がやけにダンディーだと思えばリーアム兄さんであった。

原題は” A Monster Calls“。Callといってももちろん「電話する」でない事は分かるが、他にも「呼ぶ」「いざなう」「語る」など様々な訳がある中で「ささやく」を使用したのは本当に素晴らしいと思う。結局は子供の頭の中で囁かれていた物語だもんね。監督はスマトラ沖地震に遭った家族を描く“インポッシブル”を撮った人でもあり、家族の愛を表現するのが非常に上手。いつも泣かされる。次回の“ジュラシックワールド”もこの監督だけど、どんな感じに仕上がるのか楽しみ。