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セルのマーチのレビュー・感想・評価

セル(2015年製作の映画)
3.2
【レビュー】
まさしく「世にも奇妙な物語」!!
今作はしっかりとしたオチ(終着点)があるので、ラストを深く読み解ければ、それなりに納得できるかもしれません。

携帯電話(セル)を使っていた人たちが突然暴徒化し、“携帯人(ゾンビ)”となってしまうオープニングの空港シーンは圧巻です。思わず「キングスマンだ!ハリーを呼べ、空港大虐殺だ!!」と言いたくなるほど『キングスマン』のあのシーンを連想させられました、今作にはサミュエルも出演していますからね。笑 ちなみに、サミュエルの演技力は恐ろしく高いと思っているのですが、今作もそれは健在でした…流石です。

群れを成したり、共鳴したり、テレパシーがあったり、進化(更新/アップグレード)したりと、携帯人の行動に意味をもたせる描き方と「世にも奇妙な物語シリーズ」を彷彿とさせるエンディングは個人的に好みでしたし、思っていたよりシリアスホラーに特化していて楽しめたのですが、終始重要な場面で画面が暗すぎたり、中盤のテンポの悪さ、スティーヴンが直接関わっている影響か粗さが否めない脚本等が減点ポイントでした。

“携帯人”だけが辿り着く楽園、ユーモアを滲ませるラストの理由、「世にも〜」ファンならこういうの大好きだと思いますし、納得だと思います。もう少し短く纏められれば、短編映画ファンにも、もっとウケたのかな…

また、スマホ📱や携帯電話に依存している現代社会を揶揄するかの様な作品でもありました。非常事態に電話が出来ないって結構不便ですよね…どれだけ現代社会が止むを得ず依存しているのか、よく分かります。

【p.s.】
そもそも「世にも〜 シリーズ」が大好きなので、今作がそれの一編で出てきそうなエンディングで、興奮しました。作品の質はそれ程高くはないが、個人的にその質の悪さが好きっていう作品が今作です。

1番怖かったのがエンドロールの後でした。終わって油断していたので、余計に不意打ちをくらいました。笑

観に行った日は公開3週目ぐらいということもあってか、お客さんも少人数で、エンドロール中に他のお客さんが全員帰ってしまい、上映終了後に1人で映画館を出たのがより一層の恐怖でした。笑

【映画情報】
上映時間:98分
2016年 アメリカ🇺🇸/原作 スティーヴン・キング/監督 トッド・ウィリアムズ/脚本 スティーヴン・キング/アダム・アレッカ/出演 ジョン・キューザック/サミュエル・L・ジャクソン/イザベル・ファーマン/オーウェン・ティーグ/携帯電話を使用していた人々が突如暴徒化し街中が大混乱に陥る中、主人公たちが生き抜こうとする姿が描かれる。
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