とても良かった。世界で初の性別適合手術を受け、男性から女性になった、実在するリリー・エルベの伝記小説を元に作られた映画。事実とは異なる点も多々あるらしいが、こういう人が存在したことは、事実。
やはり、リリーを演じたエディ・レッドメインが見事だった。アカデミー主演男優賞にノミネートされたのも大きく頷ける。ちなみに、受賞したのは、「レヴェナント」のレオナルド・ディカプリオ。ディカプリオも圧巻の演技だったので、エディが受賞できなかったのも、致し方ない。
しかし、この映画で、私の心に強く響いたのは、エディが演じたリリーよりも、アリシア・ヴィキャンデルが演じた妻ゲルダの方。夫のアイナーを深く愛し、リリーとなってからもリリーを支えるその姿が、あまりに切なく、涙が出た。この映画を男の人が見たら、どう感じるのか？果たして良さが分かるのか？と思ってしまうほど、妻目線で見ると、たまらない映画だった。複雑な状況の中で揺れる妻を見事に演じたアリシアが、アカデミー助演女優賞を受賞したのは、大いに納得。
そして、この映画は、映像がとても美しかった。デンマークとフランスの街並みをとても綺麗に映し出していた。室内の映し方も素敵だった。
以前から気になって見ているマティアス・スーナールツが、なかなか良かった。
