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リリーのすべてのsayanaのレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
3.9
リリーが自分が女性であると気付く瞬間から、女性として生きていくまで、エディ・レッドメインが繊細かつ巧みに演じていて、ただただ圧倒された。同一人物なのにアイナーとリリーが全く別の人物に見えた。
まだまだ危険が伴う性別適合手術に、自分の命よりも女性になることに重きを置くリリーはとても強いと思ったし、本当の自分になるために全てを犠牲にできる彼女の姿がとても逞しかった。「神が私を女性にし、医者が間違った肉体を治してくれているの」というのが印象的だった。
でも何よりリリーの妻であったゲルダの複雑な心境に共感せざるを得なかった。かつて愛した夫が「異常」であると診断されてしまう姿を見て心が痛かっただろうし、苦しむきっかけを作ってしまったかもしれないことに苛まれたと思う。ゲルダの経験した苦労や痛みは理解し切れないくらいに大きかったんだろうなと感じた。
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