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ゴーストバスターズのしゃにむのレビュー・感想・評価

ゴーストバスターズ(2016年製作の映画)
3.7
「お尻は隠すものです」

< ニューヨークの肥え人 >
あ、ソコは隠さなくていいから(憤怒)

↓あらすじ
有名大学で教鞭をとる物理学者のエレンは終身雇用を勝ち得るため奮闘していた。そんなある日、オカルト好きな旧友アビーと共同で書いたオカルト本が無断で発売されているのを発見する。オカルト本を信じエレンに幽霊屋敷の調査を依頼する人まで現れ、エレンは大学をクビになってしまう。実際に幽霊に遭遇したことがきっかけとなりアビーと「超常現象研究室」を開業するはめになる。

・所感
無難なリブート。当たり障り無く及第点を狙ったような安定感がありました。懐かしのテーマ曲、ダサいユニフォーム、妙にインチキ臭い数々の発明品、本家の名優たちのサプライズ出演…かつて1作目をスクリーンで目撃したファンも納得するのでは。幽霊がよりリアルに描かれ、終盤の現代の大都会ニューヨークにおどろおどろしい百鬼夜行を映し出す場面は肌寒く格好の納涼でした。単なる焼き直しでは無く、殊に中年のおっさん連中を全員女性に変えたのは大胆な試みでした。名作の看板に臆すること無く、キャラクターの独創性を生み出そうとした意気込みは良し。全体的に新鮮でした(ケヴィンは貰いますね←)個人的に頂けなかったのはエレンとアビーの友情譚に帰着させる展開。ゴーストバスターズは本来おふざけ感覚で幽霊退治をするコメディ映画だから、御涙頂戴的なサムシングは要らないんじゃないかなと。その点に目をつむれば安定して観れる娯楽作でした。ビルマーレの役柄が最高に笑えます(今まであんたがやってきたことは何だったんだ笑)

・女性怪
今作はリメイク作品です。ですから1から作り直しでキャストも総入れ替えです。やる気があるんだか無いんだか皆目分からない中年親父集団が加齢に変身…何と全員女性にしてしまう思い切った試み。旧作のビルマーレたちの「イケてない」「華がない」「キナ臭い」雰囲気を受け継いだメンツ(教室の隅の方で近づき難い勢力を形成してそう)ばかり。ワンタン感嘆オカルト信者、テロリストなら世界中を敵に回せる天才(変人)発明家、四六時中喋り倒すムードメイカー、友人に振り回されるトホホなお堅いオカルト物理学者…各々が個性的で、かけあいが滑らかで、ドラマだったら続きが気になります(個人的にイチオシなのは受付の伊達メガネのマッチョマン・ケヴィン君。はぁ…頭悪ソー‼︎ 彼は極めて危険な逸材です。ブロマイドがことごとく殺人級。本作で1番の凶敵はケヴィン君なのではないかと) もうちょっとやる気が無かったら良かった。張り切る必死も無い(危険かつ気楽な稼業←)最後の友情譚的なまとめ方以外は及第点ではないかと思います。

・温かい幽霊
良くも悪くもゴーストが最新技術でパワーアップした印象でした。観ていて体感温度が何度か低下するような気味の悪さ。単体ですら肌寒いのに、大都会ニューヨークをうじゃうじゃと無数のリアルなゴーストが漂う光景には背筋も凍りつきます。スゴかった…けど幽霊を生々しく描くとガチのホラーです。ゴーストバスターズに出てくる幽霊は何というか変な話、愉快で温かみのある奴。驚かせようとシリアスに描きすぎて、愛嬌に欠ける冷たい幽霊ばかりになってしまいました。本気で怖がらせに行くのはマズい。ホラーっぽくみせて主軸はコメディにあるのが理想的なゴーストだと思います。ですから今作は少しばかり幽霊が力み過ぎたのではないかと。難しい按配ではありますが。納涼の肝試しにはもってこいの作品にはなってると思います。個人的にはヘビメタのロックフェスに悪魔的幽霊が迷い込む展開が愉快でした。悪魔に魂を売り渡したロッカーなら当たり前ですね←

・昼間ァ霊ェ
嬉し懐かし旧作キャストのサプライズ出演だけでも一見の価値はあると思います。キャスト欄にビルマーレの名前を見つけて狂喜した方は本編でも狂喜するかと。彼の役がこれまでの作品を観てきた者からすると狂気、全力の悪ふざけです、これには狂喜。やることなすこと全てにニヤニヤ。脇役ながらも笑いをかっさらいます。他にもキャスト欄を確認すると嬉しい再会があります。見逃すような登場の仕方も。最後まで目が離せません。

・終わりに
おバカんす以来頭悪ソーな役ばかりやってますがソー云ふ人なのか。余談…霊により脂肪説(マシュマロマン=自分)が再浮上しつつある当方はワールドミッションの一環で滞在中の箱根温泉で240時間耐久入浴に挑戦中ですが、悪質な金魚すくいで帰りの旅費となけなしのお髪を毟り取られたので「赤いハゲの募金」にご協力お願い申し上げます。
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