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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリーのsmithmouseのレビュー・感想・評価

4.1
丁度鑑賞しようとしたタイミングでキャリー・フィッシャーさんの訃報が!
エピソード7で健在ぶりをアピールされていただけに全く現実とは思えない。
この人の作り上げた帝国軍やベイダー卿と渡り合う"戦う強いヒロイン"レイア姫は間違いなくその後のパドメやレイやジンのイメージの源になっていると思う。
SWサーガの礎石だった人がいつでも会えるけどとんでも無く遠い宇宙へ旅立ってしまった。
キャリーさんの御冥福をお祈りします。

「汚い任務を達成する度に大義のためと自分に言い聞かせてきた」

倒れて朽ち果てたジェダイナイトに見えるジェダの石像が示す通りライトサイドにはスペシャルワンは存在しない。
しかし、敵は余りに強大。
そんなコントラストの際立つ本作から感じたのは"恐怖"。
単なるスリルでは無く暴力や無慈悲かつ圧倒的な力が行使された結果としての恐ろしい迫力がヒシヒシと伝わる。
ディズニー幹部から「まるで戦争映画だ。」というツッコミの入ったブラスターや爆弾の飛び交うジェダ市街やビーチの「プライベートライアン」の様に激しい戦闘シーン、恒星を遮り星に影を落とし破壊の限りを尽くすデス・スター、そしてある意味1番恐ろしい人知の及ばぬ底知れないフォースを振るうあの御方。
これが誰もが知ってるあのかたちにどう繋がっていくのか、そう考えるとまるで目が離せなかった!

対する主人公達"ならず者"はソロの様なアウトローさを纏いながらSWの大きなテーマ"家族の絆"を味わわせてくれるフェリシティー。
任務と大切なモノで揺れるディエゴ。
一目でその魅力が伝わるようなドニーとチアン。
悪目立ちせずにその確かな存在感でストーリーを引っ張るたミケルセンとウィテカー。
愉快なK-2SO。
全てのキャラが絶妙にバランスがとれていてグイグイその世界に引っ張り込んでくる。

やはり大きな見所は全世界の人が見たいと思っていた筈のあの御方!
逆光や赤い光に浮かび上がるシルエットと呼吸音とその活躍はカメオ出演程度とタカを括っていた自分をノスタルジーと恐怖で打ちのめしてくる。
まるで最高級のトロの握りを口に入れるその直前にネタだけ取られるかの様な美味しいとこもって行きぶりに惚れた ('A`)
因みにドニー・イェンの殺陣シーンで震度3の地震に見舞われたんで彼にも惚れた ('A`)

他人の褌を借りながらもこんなに重みのあるSWを見せてくれた監督は凄い。
「楽観的な皇帝」とターキンさんの使い方も上手い。
このエンディングは希望と絶望の相反するものをミックスした様な不思議な余韻があって好きです、監督。
"復讐"と"希望"のミッシングリンクとして、また何となく停滞感の有ったエピソード7との対比として凄く面白かった。

希望に支払った代償の映画。
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