JunIwaoka

ぼくらの家路のJunIwaokaのレビュー・感想・評価

ぼくらの家路(2014年製作の映画)
3.0
2015.9.23 @ ヒューマントラストシネマ有楽町

"What Maisie Knew (メイジーの瞳) "、"Incompresa (わかってもらえない)"などここ数年、育児放棄をテーマにした良作が各国で撮られていて、ドイツを舞台にしたこの映画も上記作同様の問題提起を、子供目線で悲痛な叫びとして訴えかける。
二児のシングルマザーが子供の面倒を見て、生活を支えることはとても困難なことだと思うけど、この映画の特徴的なところは、母親(ろくに働いていない?)が子供そっちのけで遊びに行ってしまうが、長男のジャック目線でとても優しく美しく魅力的な母親として描かれ、その分彼が自覚をして家事をしたり次男の面倒みている。ある出来事をきっかけに、家族と離れ離れになったジャックが母親を探す3日間の中で思い知らされるのは、社会が母親の代わりに彼を守ってあげることはないということ。子供にとって親は唯一の守ってくれる存在であるはずなのに、そうではないことを知ったあとのジャックの表情がとてもたくましい。この現実に無力な僕らは、正解のない答えを出す健気な姿を、ただ見守ることしか出来ずに辛くなった。
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