マヒロ

戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章のマヒロのレビュー・感想・評価

3.0
タタリ村での一件により行方不明になった工藤と市川の意志を継ぎ“コワすぎ”クルーとして世界で起こる怪異についての情報を発信するカメラマンの田代だったが、目の前に突然見知らぬ男・江野(宇野祥平)が現れ、工藤と市川を救う方法を教えると言われる……というお話。

『コワすぎ』シリーズの完結編で、主人公は白石監督自身が演じるカメラマンの田代になっている。なんの前触れも無く現れた江野という男に振り回されて酷い目に遭いまくるという自虐的な話で、最早ホラー感は微塵もないが、これはこれで楽しいっちゃ楽しかった。これまでのシリーズではあくまで裏方に徹していた田代がメインとなることで、カメラが能動的に動く場面が増えたので、絵的にも動きが多いというのも新鮮で良かった。
工藤と市川を救うためとされる江野の指示は基本的に意味不明で突飛なものだが、この「訳の分からない行動が事態を好転させる」という設定、江野がパラレルワールドについて言及することも含めて『エブエブ』を思い出したりした。※江野は白石監督作品の『オカルト』に出てくるキャラクターらしいが、そちらは未見

後半、工藤と市川が現れてからは好き勝手度に拍車がかかり、色々と残っていた伏線をものすごい勢いで雑に回収し、何が何だか分からんうちに何もかもがまっさらになってエンド……と思いきや「新シリーズ『超コワすぎ』始動!」のテロップが出てきて本当に終わり……と、力技でねじ伏せてくる。最初にシリーズに期待していたノリとは全く違うところに着地したが、これはこれで良いのかなと思わせられるくらいにはパワーのある展開だった。

(2023.110)
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