Punisher田中

二ツ星の料理人のPunisher田中のレビュー・感想・評価

二ツ星の料理人(2015年製作の映画)
3.5
アダムはかつて調理に関しては天才と呼ばれ、二つ星シェフの称号を取るほどだった。しかし、ドラッグ、酒、女性に浸ったことが原因で店を潰してしまう。
ロンドンで再起し、自分の店で今度こそ三ツ星を取ろうと心に堅く誓うのだった。
しかし、彼は完璧を追い求めすぎて、なかなか周囲の人間とは上手くやっていけない。
そんな中、ある1人のシェフとの出会いが彼の考え方を変えていくのだった。

レストラン等で働くことの大変さを教えてくれる作品。
厨房で働くこと即ち、戦争に出兵することと同義だ。とはよく言ったもので....
ブラック飲食店でバイトをしていたのでよくわかる... 割と皿やらお椀やら道具が飛び交ったり、怒鳴り声が響いたりは日常茶飯事。
本当に本作はそんな戦争のような厨房の様子を忠実に再現していると感じた。
そんな戦争の引き金となっている主人公、アダムの高慢な態度は鼻につくが、見ているうちに「なんだか憎めない奴」になっているのは実に巧妙だなぁ。
アダムが作り出す険悪なムードにチームワークどころじゃない地獄の厨房からだんだん心地良い雰囲気の厨房になる終盤は見ていてホッコリする。

何より僕はアダムとライバルのリースというキャラとの関係性が凄く好きで、悪口を言い合いながらも互いにリスペクトしているような絶妙な関係がたまらない。
最初はキツいシーンが多いが、後半はほっこりするシーンが多かったり、仕事場の人間関係について考えさせられる部分もあるのがまた良い点だと感じた。
なんかこの映画見た後はケーキ食べたくなっちゃうな。