xo

徘徊 ママリン87歳の夏のxoのレビュー・感想・評価

徘徊 ママリン87歳の夏(2015年製作の映画)
3.5
認知症者を初めてしっかり見た気がするけど、こりゃすごい。頭を抱えちゃうと同時にめちゃ笑えるし、チャーミングさにどこか癒やされちゃう。

わかっているようでわかっていない、わかっていないようでわかっていそうな会話の連続。
見ている人間としては、どこかに理屈を見出そうとするんだけど合理性なんてないことに気付かされる。。
ご飯を箸で食べることはできるし、「美味しい」って言葉も知ってる。でも電柱やぬいぐるみと会話しだしたり、突然キレだしたり。
知らない人と話すときはわりと普通(映っている範囲では)。「すいません」「ありがとうございます」を繰り返す。屋外だと自意識がコントロールできてんだよな。。

この娘さんはカラッとしているけど、彼女の忍耐力は相当なもんだと思う。
自分が同じ立場なら、まともに会話する気にならんし、事故や事件への不安や、迷惑をかけることへの恐怖が先に立って、こんな自由な環境で居させてあげられる自信がない。。。

「田舎より都会の人の方が親切にしてくれる」「みんな実は親切にしたがっている」が印象的。自分の人間関係の中にはないその場かぎりの関係でしかないから…なのかな。

彼女がやっているアート活動が、作品のトーンとは全く異なるかなりアバンギャルドなものだったのが面白かった。ふつうに陰茎の置物がドーンとあったりして。めちゃ気になった。。
xo

xo