絶対のない現実の、空想的なアプローチ。
独特な世界観に対して、抜群にマッチした音楽使いをしてくることに定評のある冠木佐和子ですが、今回はこれまでになかったジャズ調を用いて新たな化学変化が起こせていました。
ジャズを使ったことによる聞き心地の良さも然ることながら、その性質としての即興性、刹那的な輝きは人生や登場キャラクターの行動にも重なっていって、映像的な面白さ以上の効果があるように感じました。
パートナーのことが気になる、もっと知りたいと思っていることを、お尻の穴に隠れたいに変換するのは、流石としか言いようがないですけれども！（）
ただ展開としては繰り返し、反復的な要素が多く、少々退屈さがありました。
テーマ性がシンプルで普遍的だからこそ、もう少し味付けを変え、多面的な視点や展開が欲しかったところです。
本作をもって、無料で観られる冠木佐和子作品は完走となります。
『I'm Late』の方は2023年8月を最後に上映されていないようですが、またどこかで劇場に掛けられた際には遮二無二駆け付けたいと思います！
