このレビューはネタバレを含みます
2023年8作目
良い良い良い…めちゃくちゃ良かった。
何者かになろうという憧れは、人生をパターン化してしまう部分がある。ロールモデルのない仕事なんてそうそうあるもんじゃない。
でも愛だけは、いつも唯一無二であって、誰にも侵すことの出来ない、そのひとそのものである。それでも残念ながらひとにはそれぞれタイミングがある。ちょっとしたすれ違いであっても、大事なタイミングには決定的であって、取り返しはつかない。例えどんなに相性が良くても。その先どんなに幸せな人生が待っていても。すごく悲しいけど、古くから繰り返されてきた再現性のある事実なんだと思う。
ラストシーンの解釈はいろいろあるみたいだけど、僕は二人が共有した幻想だと思う。セブがパリで夢を叶えることだって出来たんだと。切ない。切ないよ。セバスチャン、最後まで弾けなかったんだよね。きっと。終わらないままで終わりたかったのかな。待ってたのかもな。毎日ミアのポスターの前を通って、セブスで。
全てが大好きな映画だった。音楽も演出も演技も、ストーリーも。最高だった。映画館で観たいなー。
映画館で観ることが出来た。良かった。
全ての夢追い人に幸あれ。