Hokkaido

お盆の弟のHokkaidoのレビュー・感想・評価

お盆の弟(2015年製作の映画)
2.5
淡々としたトーンの作品は好きなのですが、モノクロ映像含め、今一つ肌が合わない感じで入り込めませんでした。まさに好みの問題かと思います。
食べ物はやはりカラーの方が美味しそうで良いです。

以下諸々
夢を棄てきれない男を少しコミカルに少し切なく描いていますが、色々な表現が今一つツボに合わなかったり、現実では味わう事の難しい映画的なちょっとした夢があるわけでも無く、暗喩や対比等で考えさせられる訳でも無いので、作品世界に身を置くのではなく、表面的になぞる様な見方になってしまいました。
結果、登場人物達に思い入れを持てず、
主人公タカシも、愛すべきダメ男ではなく魅力の無いダメ男、として映ってしまい、どちらかといえば妻の視点になっていました。
同じダメ男でも"海よりもまだ深く"の良多等は、どこか憎めない、魅力的な側面が、ちょっとした仕草、また、本人や周囲の言動を通じて与えられているのですが、本作の主人公タカシは、上記良多より余程まともであるにもかかわらず、愛すべきというより、愚直な迄に真面目なダメ男として映っていたせいかと思います。

モノクロ映像については、味わい的なものは何となく伝わりましたが、食べ物には向かない印象も相まって、モノクロの必然性が理解できなかったのは残念でした。
同時に、現代のモノクロならではの4K並みの異様に高精細な映像が、懐古的と言うより現代的と言うか曖昧さを排除したデジタル的な印象で何だか勿体なく感じました。
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