金融業界で働く人間としては、リーマンショックの要因や教訓等は耳タコな話なのですが、住宅バブルの波に飲まれて"異常"を"異常"と判断できなくなっていた金融マンの振る舞い、数値と現実との乖離がじわりじわりと広がっていく恐怖が、極めてリアルに描かれており、興味深かったです。
経済の嘘を見破り世紀の空売りを成功させた主人公たちだが、彼らの成功は裏を返せば多くの一般市民の生活の破綻を意味しており、ファンドを閉鎖したバーニの行動はその倫理的背徳感を物語っているのでしょうか。別に彼らが行った行為が崩壊のファクターになったわけでもなく、崩壊の兆しに気づいた時点で何かを行動すれば人々が救われたわけでもないのに…
リアルに基づくため物語としても面白いですし、いろいろ勉強になります。用語が分からなければ調べながら鑑賞するも良しです！
