山岡

恋するブロンド・キャスターの山岡のレビュー・感想・評価

2.0
エリザベス・バンクス、ジリアン・ジェィコブスという、ラブコメ好きにはたまらないキャスティングに惹かれて見てみたけど、つまらな過ぎた…。

邦題から、オフィスで働くアラサー女性社員の立身出世やオフィスラブなどを描いた『ワーキングガール』のような映画を想起したのだけど、完全にミスリードで、ラブコメ要素は控えめ。

夜の街で羽目を外した主人公が、翌朝、職場に帰ってくるまでを描いたストーリはまるでスコセッシの『アフターアワーズ』のような形式。(泥酔時の行為の精算を描いた作品という意味では『ハング・オーバー』の影響も指摘できるかもしれないが…。)

と、上のような書き方をすると、すごくセンスのいい映画とも思われかねないが(実際、アイデアはわるくないんだけど)、主人公のエリザベス・バンクスの行動一つ一つに必然性がなく、全く説得力がないので映画としてのクオリティは最低レベルだと思う。

本作の夜の出来事を通じて、主人公は自分をさらけ出すことを覚え、最終的には成長する…という流れなのだが、前半で、彼女がお堅い人間だから面接に落ちたといったような説明が一切なく、スタート地点がぼんやりしていたため、彼女の成長が全くドラマとして機能していない。

唯一の加点はウィリー・ガーソン(『セックス・アンド・ザ・シティ』でゲイのスタンフォードを演じた)がバンクスのエージェント役で出演してること。しばしばコメディ映画に脇役で登場する彼の存在は、まるでラムネ菓子のピンキーにおける、ハート型ラムネのようなもの。彼が出るだけで、つまらない映画も、なんかどうでもよくなったりするのだ。
山岡

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