うるぐす

たかが世界の終わりのうるぐすのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
3.8
難しい。

どれくらい難しいかというと、観終わってからとにかく他人の答えが欲しくなる。
上映後、いろんな人の解説の前で足を止める人が多かったことが何よりもそれを物語っている。
何か出来事が起きるわけじゃない。

そう。
大きな出来事は起こらないですからね。これから観る人はそこは注意です。

唯一の出来事は、主人公の帰郷。

帰郷前に流れていた日常が、帰郷により非日常化してしまう、そしてそれが家族ならではの難しさを伴ってしまう。
その「家族ならでは」を会話劇と役者の表情で表現しきってしまう力技。
そしてラストの暗示。

正直言うと、のぺーっとしてます。
観終わった瞬間には、?がいっぱい浮かぶかもしれません。でも映画で撮るべき最たるものは人の顔、表情です。表情ひとつひとつが緻密で、正確。



見終わってしばらく経った今、少しずつこの映画の輪郭がはっきりしてきました。
それでも、思い浮かぶのはどのシーンでも「顔」なのです。
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