タイレンジャー

フィフティ・シェイズ・ダーカーのタイレンジャーのレビュー・感想・評価

1.5
前作が予想外に楽しい映画だったので、続編もかなりやってくれるのではと期待ムンムンで観ましたー。

しかし、結論としては「ダメだこりゃ」です。

と言うのも、面白くなりそうな要素すべてがアッと言う間に解決してしまうからです。まるで、危機的展開のスタンプラリーでもしてるかのように、1つ1つのサスペンス要素を淡白に消化するだけなんです。もっと引っ張れよ、と。

なぜこうなったかと言うと、今回はサスペンスの軸が定められなかったからだと思いますー。

前作には「SM行為の契約を交わすのかどうか」という明確な話の軸がありました。フツーの女の子がイケメン大富豪にそんなスキャンダラスな話を持ちかけられるというだけで2時間の間が持つ強力なネタだったんですよ。

ところが、前作の終盤の展開で契約は関係なくなってしまったので、続編では別の話の軸が必要です。もちろん、シリーズ3部作を通じては「いかに2人が真の幸せを掴むか」という軸があるんですが、2作目単体でどういう話に持って行くかなんですよ。

で、今回は前作のようなインパクトのある軸を設けられなかった。
一応、軸としては「復縁するふたりに様々な困難が訪れる」っていう抽象的な感じ。

ただ、様々な困難と言っても、困難発生→すぐ解決→次の困難発生→すぐ解決、てな具合に進むので、前述の通りただのスタンプラリーなんですわ。

すぐ解決できるような雑魚ネタばかり仕込むんじゃなくて、太い幹のようなネタを一本通さんかい!と思うわけです。

じゃあ、何を軸にすれば良かったかと言うと、イケメン大富豪を巡る女同士のネチネチバトルですよ!

クリスチャンとの結婚を目指す主人公アナに立ちはだかるのが、クリスチャンの元セフレのメンヘラ女子、それから幼少のクリスチャンにSM癖を仕込んだ熟女。この三つ巴のもっともっと陰湿でねちっこーいバトルが観たかったな〜。

だって、SMを仕込んだ熟女役に大物女優を持ってきてますから。
演じるのはキム・ベイシンガー様!

キム・ベイシンガーにSMを仕込まれたイケメン大富豪ってすごい設定…。

実はクリスチャンがキム・ベイシンガー演じる熟女とまだ関係を持っていて…とだったら、もっと面白かったんだけどな〜。

そんな大ネタを仕込むこともなく、その問題はアッサリ終了。キム・ベイシンガーの無駄遣い。

もっともっとゲスい内容にできそうなのに、二の足を踏みまくった結果、マイルドになり過ぎてつまらん!という続編でしたね。