デビュー作から2年、34歳という若さで亡くなった稀代のSF作家、伊藤計劃原作のアニメ化。
19世紀末、死者をゾンビのように蘇らせることで労働力や軍事力に転用するようになった世界が舞台。蘇らせたゾンビは自我を持っておらず、かの有名なヴィクター・フランケンシュタインしか自我を持った蘇生に成功していない。そこで問題となるのが「魂の重さ」である。これは実際に1901年、米国の医師ダンカン・マクドゥーガルによって報告された、死亡前後の体重の変化である(実際は水分が蒸発しただけであったが)。
この魂の在処の探索が物語の主軸となる。
原作とはシナリオ部分でかなり改変されているが、そのまま2時間の映画にするには難解すぎるのでしょうがない。むしろよくやった方だと思う。だが、わかりやすさを優先した結果、若干物語の主題がわかりづらくなったかなという点もある。演出も欲しかったかな。
主人公がジョン・ワトソン博士であるなど、さまざまな作品からの登場が面白い。総じてみると割と面白かった!大変だったろうにアニメ化してくれてありがたい。原作もまた読み返してみようかな。