追悼ジャンヌ・モロー様
艶やかで気だるい彼女の表情がたまらなく好きでした。
心よりご冥福をお祈りいたします。
イギリスの映画監督トニー・リチャードソンがヌーヴェルヴァーグの女神(ミューズ)ジャンヌ・モローを起用した狂女サスペンス映画。
うわー、彼女がヌーヴェルヴァーグ作品で演じてきた悪女なんて全然可愛いもんだったわ!たまらん!てな感じで、私が一段とモロー様に惚れ込んだ作品でもあります。
フランスの田舎で小学校教師をする気品高い年増独身女"マドモアゼル"をジャンヌ・モローが熱演しており、
彼女がひた隠しにする悪徳と愛欲の牙が、この村を悪夢へと陥れます。
彼女の花を開かせるのはイタリア野郎マヌー父子の存在…。
ジャンヌ・モローは当時38歳であり、婚期を逃した危ない変態美女っぷりが個人的にクソそそる作品なのです。
あのお高い淑女が卑しい牝犬に豹変しちゃう演技はほんとに最高。
それにしてもマヌーがガチでうらやましい。あんな思いが出来るなら全然マヌーと代わりたい。
彼女がマルグリット・デュラスの脚本で仕事をするのは、ベルモンドとの共演作「雨のしのび逢い」から2回目。
その後もデュラスの自伝的代表作「愛人/ラマン」にてモローはナレーションを担当することになります。
格差社会の全貌とアンチテーゼの精神を逆説的に訴えたショッキングな内容は、今もなお我々の心を魅了して止みません。
これからも銀幕の中で生きるあなたを慕い続けてゆきます。
どうか安らかに。