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サリヴァンの旅のRのレビュー・感想・評価

サリヴァンの旅(1941年製作の映画)
4.6
うわーーーすばらしかったーーー! 拍手喝采! 映画を愛しているすべての人に見てほしい映画、No.1!あと、バカなコメディ映画など見ても時間の無駄だ!と思ってる人にも是非見てもらいたい。これぞ、まさに、究極のコメディ賛歌であり、映画賛歌! なぜ人はコメディが好きなのか、なぜコメディは作り続けられるのか、さらには、なぜ人は映画を見るのか、そんな究極的なテーマにまで肉薄する、素晴らしい名作。しかもその答えをこの上なく明確に、言葉でなく映像で見せてくれる。教会シーンのあの映像と最後のシーンは胸が熱くなって涙してしまった。ほんとに感動的。と共に、貧しい人々や人生に絶望した人々には、一時的な気休めの援助を与えただけでは全く無意味であり、むしろさらなる害にもなり得る、ということが、とても厳しく描かれる。そういう人々に必要なのは、小さな状況の変化なんかではなく、人間社会を構成している人間ひとりひとりの、人間性の根源に関わる、生命だとか宿命だとか、そういった類のものを変化させることだと、見ててすごく思った。ま、そのテーマはそこまで深く切り込まれているわけではなく、ストーリーの背景程度におさえられてはいるけど。て、書いていくと、えらいヘビーなテーマの映画かと思われるかもやけど、前半は完全にドタバタ喜劇。裕福で何不自由なく暮らしてきた映画監督が、こんな自分ではバカなコメディしか撮れないから、貧乏人の格好をして旅し、本当の苦しみとはどんなものなのかを体験しよう! 出発するんだけど、何やかんやで何度ももとの豊かさに引き戻されて、全然できひんやん!…ってことから始まって、前半は、んーまぁまぁかなぁって感じやったのが、中盤で別の映画かよ!ってほどガラッとテンションが変わり、メインテーマにグイグイ迫っていく。そして、最後は上記のとおり、涙を禁じえぬリアルで誠実な感動のエンディング! 最高やった!
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