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ちはやふる 上の句のyunumataのレビュー・感想・評価

ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)
4.0
冒頭からいきなり素晴らしかった。読み込んでいる『ちはやふる』そのままの世界だったよ! 一方で映画そのものは、原作の「千早」というキャラクター以外はぜんぶ一から作り直したような内容になっていて、悪口を言えば、学芸会の出し物に千早だけ本物を客演で迎えているような(笑)そんな感じだった。だからこそ、千早というキャラクターの芯の強さ、柱っぷりがとんでもなく際立っていて、最初は冷笑していた再現度の低い部員陣が、映画中に次々と千早によって力強く花開いてゆく様子にひたすら感動させられた。本物の「千早」とかるたさえあれば、それはもう『ちはやふる』なのだ。監督サン、おそらく小倉百人一首を猛勉強されたのだと思いますが、きっと彼も「千早」に感化させられた人物のひとりなのだろう。この映画には本物の千早がいた! それだけで、もう充分すぎるくらいの大成功だ。……「情熱は約束を守る」という、僕の大好きなロックバンドのコピーがあるのですが、この映画にもきっとそのまま使えますね。情熱は、約束を守る。
下の句、行くんだろうな……。

劇場(2016.03)
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