キアヌ主演『ハートブルー』のリメイク。
危険なエクストリームスポーツをやりながら犯罪をしている集団に、FBIの主人公がスパイするという内容。
私はエクストリームスポーツの動画を見ることがそもそも好きなので、そうでない人に比べても楽しいと思う。ストーリーに組み込まれ、意外なタイミングでちょっとギャグ風にも始まったりするすべてのスポーツが見応えがある。
それぞれのスポーツを、少しだけでも知っているかどうかで、スポーツシーンの面白さが違うのではないだろうか。
『ハートブルー』は、全体としては「サーフィン映画」という印象なのに対し、今作はたくさんのスポーツが出てくる。そのスポーツのトップクラスのアスリートたちがアクションを担当、CGなしで撮影されているそうだ。
『ハートブルー』にあった、いい意味での浅い感じ、スポーツシーンの異様なすごさ、カジュアルな深刻さなど、かなりの味がそのまま、でもすべて現代的に華やかになっている。
主人公も潜入先も、俳優陣はみんな今っぽくて素敵。
主人公に対する「お前捜査してないじゃん、遊んでるだけじゃん」なシーンが『ハートブルー』にもあったので、懐かしくもあり。
大自然×スポーツの映画は、私はスポーツや自然のシーンだけでも満たされるので、ストーリーはショボくても満足しやすい。
でも、ストーリー面でも、退屈させる映画…というわけではないと思う。
危険スポーツに挑むのが犯罪者というのも、だからこそ、彼らが死にそうなことをしたり、実際死んだりしても、観客は突き放して楽しむことができる。
観客が悲しみすぎたり、心配しすぎてしまわず、いい意味で命を軽く見て、次々とスポーツを見るのを楽しむために、すごくいい設定だと思う。
途中、彼らが思想的なことを語るシーンあたりは、シーシェパードなどの極端な環境活動家…のイメージを思い起こさせる。彼らをカッコイイものと描いてきたらイヤだなーと思ったけど、許容範囲だった。
全体のいい意味での浅さとダサさがそれを許してないと思うし、極端になっていってテロリスト化してどうしようもなくなってるシーンも、アララ残念な奴らだね、という感じに描いてある。最初から最後まで、主人公が「ボーディーのようにはなるまい」という映画かな、とも思うし。
スポーツや自然は異常な爽やかさを発揮しつづける。
一番恐かったのは命綱なしで崖をのぼっていくフリークライミング。やってる人を調べたらクリス・シャーマとのことで、ネット上の動画などでも見たことがあるクライマーだった。一緒に行った人がサーフィンの人のことを知っていたし、皆、素晴らしい、トレンドなアスリートたちが出ているんだと思う。
ペンドルトンの毛布など、キャッチーなトレンドのアウトドアアイテムなどが片っ端から使われているのも確認できる。
そういうのも含めて、10年に1度ぐらいリメイクして、その時のエクストリームスポーツの最先端をまとめて見せてくれたらいいのに。
個人的には、このテンプレでずっと観れる。