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銀河ヒッチハイク・ガイドのyukkowbのネタバレレビュー・内容・結末

銀河ヒッチハイク・ガイド(2005年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

 googleに「生命、宇宙、そして万物についての答え」と打ち込むと「42」と出てくる元ネタとしても有名な、大森望いわく「バカSFの歴史に燦然と光り輝く超弩級の大傑作」、『銀河ヒッチハイク・ガイド』

 イギリスでの映画化にともない、原作の全訳が日本で手に入るようになり、その際原作のファンになり、最近、映画を観た。

 映画製作時、原作者で著名な脚本家でもあるダグラス・アダムスは元気なアラフィフ。ちゃんと脚本で制作にかかわっていたのだけど、制作途中でトレーニングジムで亡くなってしまったようで、とても残念…。

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 英で1963年から途中ブランクありながらも未だに放映しているSFドラマ『ドクター・フー』とアダムスの縁は深いのだそうで、アダムス自身、ドラマを観て育ったそうだ。

『銀河ヒッチハイク・ガイド』のラジオ版の脚本を製作陣に送り、その後『ドクター・フー』の脚本を手がけるようになり、『ドクター・フー』の没案で『銀河ヒッチハイク・ガイド』を執筆するなど…。

 という経緯は知らなかったのだけど、映画版はデザインも含めて『ドクター・フー』っぽくて、楽しくて観やすい。
 子供向け番組みたいな雰囲気がちょっとあって、それが懐かしくとてもあたたかいのだ。ギャグは大人向けなので、すんなりと擬似的に子供のような気持ちになれる。キャラクターたちはパブで酒飲んだりしてるんだけど。

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 原作を楽しんだ身としては、ホッコリする内容で嬉しかった。この映画だけでも十分以上楽しめる。

 最後の地球人アーサー・デント役のマーティン・フリーマンはピッタリだし、おバカなフォードとゼイフォード・ビーブルブロックスも、かなりそれっぽい。新鮮なギャグもいっぱい見れてうれしい。ストーリーも本当にきれいに回収されている。

 ただ、やけにトリリアン(もう一人の最後の地球人)に焦点があたるな…と思ってたら、最後アーサーとくっついたのにはビックリした…。
 原作では、トリリアンはゼイフォードの…!!彼女だから!

 確かに原作でも、初期は、ゼイフォードにかすめとられちゃっただけでどうにかなるかも…という淡い時期もあった気がするけど…
 でも、ある世界線においては、アーサーとトリリアンがもしかしたら上手くいくというパターンもありえたのか、と唖然。
 原作における、アーサーと運命の女性フォンチャーチの出会いのハッピー感とを思い出して、感慨深いものがあった。

 映画的にも納得のオチだろうし、原作ファンにはサプライズだったと思う。

 ちょっと残念なのは、鬱病ロボットマーヴィンのデザインのコレジャナイ感…。
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