「ゾンビが観られるようになりたい」と思って見た作品の中のひとつ。
ショーンとエド(サイモン・ペッグ,ニック・フロスト)の中盤までのやりとりが感動するぐらい楽しかった。コメディと言われるものに抵抗があったから、すごく観てよかった。
どこか日本に通じる、こじんまりとした、素朴で宙ぶらりんな感じの、そんなに人生ってオーバーじゃないよね…という青年感が心地いい。
ハリウッドの大作映画と違って、登場する人たちが派手派手しく美しすぎたりしないし、整いすぎた歯並びだったり、ガッツリ鍛えていたりしない。そういうのがむしろスマートに見える。
ただ、意外と親子問題に期待したほどの小さめのカタルシスがないのと(ないのがむしろいいことなような気もするのだけど)、エドに対してピートはその扱いでいいんだ? とか(いいような気もするんだけど)。
伏線のワクワクに対し、回収する時に、「それだけ?」みたいなのがチョコチョコ。
エドのラストをほっこりするかしないかで迷うところで、観た時にはほっこりできなかった。
その後、『ゾンビーノ』や『ゾンビ・ヘッズ』を観た後に、ゾンビをペットにする、友達にするっていうことに対しての印象がずいぶんと変わったので、改めて観ると違うかもしれない。
ただそれを除いても、酒場篭城以降はちょっと盛り上がりに欠けた印象。前半と後半に対して、映画に対する愛着心がだいぶ違う。
…………
途中、英ドラマ『シャーロック』のワトスン役で有名なマーティン・フリーマンが超チョイ役で出てくる。無名だったのか、ゲスト出演なのか分からないけど、「どうも」って挨拶だけするからびっくりした。
この作品の翌年に、マーティンが主役アーサーを演じたイギリス映画『銀河ヒッチハイク・ガイド』が公開されていて、原作のファンだったのでこの映画より先にそっちを観ていた。
ちょっとショーンとアーサーは似ている。
しょぼくれた犬顔で金髪、青年としては成功していない冴えない感じ、母親には愛されてそうな育ちのよさげでカワイイ、モテるわけじゃないにしても彼女がいたりいなかったりして、変な友人がいそうな…。このデザインの主人公がすごく好き。
サイモン・ペッグをこのこの作品でコッテリしたお腹も含めて最高にキュートだと思ったんだけど、『ミッション・イン・ポッシブル』では太りすぎててサイモン・ペッグだと気づかなかった。いやいや…と思ったけど、シリーズを続けて観たら次の作品では痩せていたので安心した。