小学生の頃、全く怒らない先生を
「良い人」「良い先生」とする
周囲の評判を聞く度に不思議だった。
私は何に対しても怒らない人間は
何に対しても本気じゃないだけだ
と考えていたし、
とても尊敬する気にはなれなかった。
メドウズは「良い人」だ。
それもかなりの。
ジャック・ニコルソン演じるバダスキーは
メドウズに「怒れ!」と怒る。
私の父は口癖のように
「ケンカしたことのない奴
やり方をわからない奴ぁダメだ!」と言う。
大人になればなるほど
この言葉の意味がわかってきた。
全く怒らずに大事なものを守ることは不可能だし、ただ喚き散らすだけでは誰にもその声は届かない。
バダスキーの“声”
ハル・アシュビー監督の“声”
怒りの声を上げる彼らの方が
私は良い先生だと思う。