ばーどイヌサンローラン

オーバー・フェンスのばーどイヌサンローランのレビュー・感想・評価

オーバー・フェンス(2016年製作の映画)
3.2
『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』に続く佐藤泰志の函館三部作の完結編。

職業訓練校に通ってた自身の体験を元に出来た作品。

わたしも10年以上前に通ってて、同じような感じで生きてました。特にソレ(訓練校で学ぶこと)がやりたいとかぢゃなく、惰性で、でも、もしかしたら、なんか変われるかもしれないって淡い期待もしつつ。

この作家、この三部作を見る限り、底辺の人間をずっと描いてて、なんでそこにスポットを当て、そこを描いていたんだろう?と思う。

わたしも、どちらかというと、この中に出てくるような人間に分類される方だと思うし、しかも北海道出身だし、理解できるというか…


田舎のもつ閉塞感とか人間関係とか、田舎の嫌なところがこれでもかってぐらいクローズアップされて、なんでこんな暗部ばっか描くんだよ、と目を背けたくなるし、でもしっかり見届けないと次へは進めない気がして、きっちり見届けました。


自分自身を見つめ直す作品として、人生に疲れた、生きる意味を見失っている、人生を諦めかけて、もがいている大人たちに是非、観てもらいたい作品。


虚無感に押しつぶされそうになりながら、もがいている大人たちの青臭い青春映画。



人生の箸休めみたいな作品。