ポール・ゴーギャン生誕170周年記念作品
まず観客のageの高さに驚いた。
『ジャコメッティ 最後の肖像』に続き、芸術家の自伝作品の鑑賞。
芸術家の、自分を、周りを、傷つけるようにしか生きられない、破天荒で破滅的な生き方にすごくシンパシーを感じるし、すごく好き。共感はするけど、決して自分には真似できない、そんなのを作品として観るのが好きなのだ。
本作はタイトルでも分かるように、タヒチ時代にフォーカスをあてたゴーギャンの創作と葛藤と愛と悲劇のものがたりだ。
さて、ゴーギャンの人生はどうだったのか?!
🐾ちょこっとあらすじ
1891年パリ。画家として名をなしながらも、作品が売れず行き場を失っていたゴーギャンは、絵画制作の場をフランス領タヒチに求め、一人旅立つ。彼が島の奥地の森へと分け入ったとき、運命の出会いを果たす。それはまさに彼が求めた“野生の美”の輝きを放つテフラとの出会いだった。彼の絵はテフラという新たなインスピレーションを得、後年傑作の評価を得ることとなる作品を次々に生み出していくのだがーー。
🐾感想
ゴーギャンを演じるのはフランスを代表するヴァンサン・カッセル。予告編で見て、ちょっとびっくりしました。えーっとこんなんなっちゃって、って。まずそのビジュアルにびっくりです。
ヴァンサン・カッセルは身体的な役作りについて、パンフレットの中でブルース・リーの言葉を引用してこんなことを言っている。
『自分を水だと考える。やれと言われた形になる。』
ゴーギャンがタヒチで過ごした2年間をフューチャー。タヒチを去った後に書いた『ノア・ノア』という虚実入り混じったファンタジックな紀行エッセイをベースにして描いている。なので完全な史実でもないし、完全な虚構でもない。ファンタジーと現実のミックスと。
青い空、真っ赤な花々、雄大な自然…などなど、タヒチの色鮮やかな色彩と美しい手つかずの自然の景観が、疲れたわたしの心を癒してくれたし、ゴーギャンの妻となるテフラの着飾らない素朴な美しさにも魅了されたが、作品としては、退屈でした。極めて私的意見ですが…
芸術家の作品を観る時の醍醐味は、実際の傑作の誕生シーンや秘話的なことを垣間見れること。それに関しては有意義なことだとは思うけど…
失意のどん底で帰国したゴーギャンにとって、果たして、タヒチは、ゴーギャンが、求めた楽園だったのか?
てか、楽園って、なんなんだろうね。
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