SPNminaco

グッバイ、サマーのSPNminacoのレビュー・感想・評価

グッバイ、サマー(2015年製作の映画)
-
恋や自分に悩めるダニエル、大人びた口ぶりでアドバイスするテオ。手作りの車でひと夏の冒険。パンクにアート、家にカムフラージュした自動車、アメフト、何故か後ろ向きの帰途とか、取り留めのない発想が子供らしくナンセンス。テオが風変わりでいい奴だし、お互い背伸びしたい盛りな感じがよく伝わる。旅の中でケンカしたり世の中に触れたり、ビビったり勇気を出したりしながら、家に帰ると世界はそれまでと少し違っている。
家庭環境の異なる2人の友情にいつか何か悲しいことが起きるような気がして、それが辛気臭くなりそうで心配だった。でも冒険のあまりにあっさりとした終わり方、その後の顛末ですら淡々として、音楽はずっと陽気だ。2人しか知らない、ほんの短い夏休みの思い出は、決してセンチメンタルにはならない。若い2人には今現在しかないみたいで、振り返るにはまだ早い。「大人になって再会した時、やらずに後悔したって言い合いたくないだろ」その心がけや善し。
SPNminaco

SPNminaco