お湯

この世界の片隅にのお湯のレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
4.9
バイト終わりに19時前の回を見ました。
年に1回の映画の日に、この映画を選んでよかった!


永遠の0でもそうだったけれど、
一方的に、反戦、反核のメッセージを訴えていない内容なのが、受け入れやすかったのかも。


優しさあっての、出会いがあり
悲劇あっての、出会いがあり。

その出会いが、また優しさを生んで、笑顔を生んで、悲劇を生んで、別れを生む。


序盤は、ずっと日常日常!って感じだけれど、ふと映る原爆ドーム?などが、
これから起きる悲劇を感じさせていた。
すずや広島、呉に暮らす人々も
この日常が永遠に続かないかもしれない、
っていう嫌な予感がしていたのかな。


誰かの死や、空襲警報、食料不足など
本当なら深刻な場面でも、
家族の誰かの抜けた一言で少しだけ、その張り詰めた空気が暖かくなる。

戦中であっても、人々がずっと
涙を流し、拳を握りしめて緊張していたわけではないのかな、と思った。
「また警報だよ~本当に来るのか~」って言っていた劇中の緩い空気の方が
当時の生活に近かったのかも。



何かを失っても、それを悲しむ暇がない、悲しんでられないといったばかりに
悲劇に対して淡々としている。
だが、失うはずのないものを失った時に、
今まで諦めてきた失ったもののことも思い出し、涙が溢れてしまう。
その理解させにくい描写を描くのがうまかった。



アニメーションにしかできない、時間経過や感情の表現が、私にとってはとても珍しくて「ほほー!」って思った。

そして、のんの声も良い!!!
能年玲奈ちゃんの演技はあんまり見たことないのもあって、
あんなにフワフワしてそうな子が感情的な声を出すのは驚き。
すず自体も普段はおっとりしているキャラだから、すずとのん二人が重なって、より感情移入してしまった。

郊外とはいえ、大きなシネコンだというのに、
最後に拍手しだすおじさんとかもいた。
だけど、それも納得!
一緒に拍手したいぐらい!


劇中の、
誰かに怒られたり、ヘマをしてしまった時の、(😆)という顔が好き!

話がとんで、状況を理解できなくなるシーンも数個あったものの、
題材に対して、内容は子供でも見られるくらい優しく緩やかで、見やすかった。



誰かと一緒に見てほしい映画。
私は1人だったけど!!
もう一回、ユーロスペースで見てみようかな

メモ📝
動員は、だいたい60くらい??
男性が7割近く。
年齢は大学生以上でバラバラだが、
目線の高さの席(良席)には、40.50代のサラリーマンばかり。
スクリーンが小さいのもあったけど、
なぜか小さな映画館ならではの連帯感、シェア感があった。

エンドロールで帰る人は、0!
食べ物を買ってる人は少ないけど、
パンフレットを買う人は多かったです!

おわり!
長々と失礼しました!
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