Emma

この世界の片隅にのEmmaのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
5.0

教科書で史実を学ぶことは当然大切、でもこの映画1本じっくり観ることは、その倍の意味を心に刻むんじゃないかと想います。


私を含めた日本人には全員、すずちゃんや、周作さんや、義理のお姉さんたちが生き抜いた時代の血が流れていて、それを知ることは、今ここにある命への報恩でもある気がした。


原爆の語り部の方に暴言を吐いた学生のニュースが以前あったけれど、この映画を見て思い返せば、なおさら、その学生こそが、誰よりも不幸な人間だと思う。


なんでだろうなあ、感情の洪水みたいに心の中が凄いことになっているのに言葉にしようとすると、どれも陳腐になっちゃう。こういう時は言葉にしなくていいのかな。


周作さんと、すずさんの恋愛模様にどれほど心救われたか。否定するわけではないですが、最近の映画だと学校内で壁ドンしてみたり、会ったその日にキスしてみたり、直球な描写が多いけど、ここ最近見たどんな映画より、心がくすぐられるようなトキメキを感じました。ああ、人と恋に落ちるとは、こういうことだなあと。


そして、絵はもちろんですが、それに命を吹き込んだ声優陣もとんでもなく素晴らしいですね。正直言うと、のんちゃんがのんちゃん過ぎるんではないの?と観る前は期待値低めでしたが、観たら圧巻。これはもう、のんちゃん以外できないでしょう。


周作さんの声も素晴らしかったし、義理のお姉さんの、つっけんどんでもどこか暖かな人柄が滲み出た声も素晴らしかった。とにかく全てが、素晴らしかった。


繰り返し見れるように、デジタルセルで、買いました。いつかは自分の子供にも見せたいな。
Emma

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