Kota

BOYS/ボーイズのKotaのレビュー・感想・評価

BOYS/ボーイズ(2014年製作の映画)
4.0
“僕はゲイじゃない。”

繊細で儚い日常的な美しさを80分に閉じ込めたような映画。自然豊かな田舎町で惹かれ合う二人と認められない気持ち。とにかく撮影と音楽が良すぎて、“君の名前で僕を呼んで”の3年前にこの映画が撮られていたことに驚いた。

冒頭陸上トラックでクラウチングスタートのスパイク、手のひら、顔をクローズアップで写し出すショットから、少年二人のあどけない表情を交互に写すショットまでずっと素晴らしかった。湖の上から、トランポリンの下から、逆立ちした目線から、まるで自分の恋愛観に戸惑いがある事を表現すように様々な角度から彼らは写される。登場人物は指で数えられるほど、物語も陸上の大会があるまでの一か月くらいの話で、この小規模な感じがまた親近感湧いて良かった。

なんだろうな、親や兄弟にカミングアウトなんてしないし、親友は勘付いてもそれを言ってこないし、この先どうなるかなんて分からない。だけど二人にとって幸せだって思った時間がそこには確かにあったんだよっていう想いが溢れてくる映画だった。主演二人の気取らない美少年さも含めて観て良かったなと思う。

P.S. “マイ・プライベート・アイダホ”の二人乗りバイクオマージュはほんといつでも使われてるね(笑)
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