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残穢 住んではいけない部屋のマーチのレビュー・感想・評価

2.1
【レビュー】
日本ミステリー小説界の巨匠小野不由美先生の原作小説を、ホラー畑出身の中村監督が手掛けた一種の怪談の様な作品で、原作がルポ形式のドキュメンタリーホラーであるので、映画にする際にもその形式は反映されていて、その手法をとっていることで徐々に積もってくる恐怖真実の数々がより一層怖さの厚みを増していて、怖い。

自分の住んでいる土地の過去を遡って調べて行けば行くほど恐ろしく、業の積もり積もった真実が次々と明らかになってゆき、観ている側の恐怖心も積み重なってゆくようで、怪談を聞き終わった後の様な何とも言えない居心地の悪さが鑑賞後に残る。

一種の謎解きの様でもあるのが面白く、ストーリーに起伏をもたらしてくれるが、全体的に地味でジメジメした怖さが継続するので、日本らしい怪談的な怖さを体感したい方は是非御覧になってみて下さい。

ジワジワ怖さが迫ってくるタイプで、非常に新しくていいのですが、映画としてはかなり地味で、途中出てくる黒坊主もチープな感じがしてしまい、スコアとしては低めです。

【p.s.】
ベストアクトは佐々木蔵之介さん、関西弁で作品に花を添え、如何にも怪しい風貌が絶妙にマッチしていて最高でした。

【映画情報】
上映時間:107分
2016年 日本/原作 小野不由美/監督 中村義洋/脚本 鈴木謙一/音楽 安川午朗/出演 竹内結子/橋本愛/滝藤賢一/坂口健太郎/佐々木蔵之介/読者から「今住んでいる部屋で、奇妙な音がする」という手紙を受け取ったミステリー小説家が、二人で異変を調査するうちに、驚くべき真実が浮かび上がってくる様を描く。
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