真田ピロシキ

悪のクロニクルの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

悪のクロニクル(2015年製作の映画)
3.6
あらすじ紹介から殺人を隠蔽した刑事がドツボにハマって行く話だろうと想像しててそれであながち間違ってはいないんだけど、こんな大きなスケールに広がるとは思わなかった。

"賢明な解決策"という台詞が印象深い。最初の方ではこれが事情を忖度してくれる味方からの言葉だと思ったのだけれど、真実が分かると求められた賢明さは全く別の意味を持つ。仮に要求を聞き入れてたとしても真実は残酷で何の救いもなく、最初の段階で賢明な解決策を選ばなかったツケが突き付けられる地獄。悪が次なる悪に連なる悪のクロニクルとは言い得て妙。韓国映画ファンのスーパーアイドル マ・ドンソク出演作を見ようくらいの気持ちで手を出すにはややヘヴィだった。

ちなみにドンソクは鍛え上げたボディをイジられるも今作は演技中心の出番。労組ドラマ『錐』で嫌な会社重役を演じていたチョン・ウォンジュンが嫌な警察署長を好演という風に渋みのある役者が多いです。だけど気になったのは出演者がほぼ男性ばかりで女性は脇役はおろか端役にすら数えるほどしか見かけなかった点。ここまで極端なのはあまり見ないしどうなんだろ。