Takaomi

パッセンジャーのTakaomiのレビュー・感想・評価

パッセンジャー(2016年製作の映画)
4.5
大切なのはどこで生きるのかではなく、誰と生きていくのか。誰と生きたいのか。

まさに人生でなにが大切であるかすべてを教えてくれる映画でした。

人はだれしも一人では生きていけないし、いつだって一人ではない。

長いこと生きていくなかで自分は孤独だと思うことや不安に押し潰されてやるせなくなって死にたくなるときがある。
ついつい独りよがりに考えてしまいがちだけど、周りを見渡せば、手を伸ばせばいつでもその手を握りかえしてくれる存在がいることを忘れてはならない。

主人公のジムも、5000人を乗せた宇宙船でたった一人だけ冬眠から覚めた。
誰もいない孤独な空間で一生を終えることは寂しいのを通り越して恐ろしさを感じる。
誰にも会うことなく、言葉をかわすことのない生活など誰でも数日で耐えられないだろう。

父親、母親、兄弟、姉妹、恋人、友達、たくさんの人に支えられてようやく話すことができて、ようやく一緒にごはんを食べることができて、同じ屋根のしたを共にすることで、私たちの人生が成り立ち一人の人として価値が生まれる。
会いたいときに会えることがどれだけかけがえのないことなのか。

常識的なことなのかもしれないけれど、いつのまにか大切な存在が当たり前の存在になっているのを痛感する。

大切な人、愛する人が突然消えてしまってから死んでしまってから後悔しても遅い。
大切なのは言葉をかわしている今この瞬間。伝えられるうちに、愛しあえるうちに、話せるうちにたくさんの言葉を行動を愛を残しておきたいな。

今を生きていてずっと大切な人と生きていけるのも、私たちの住んでいる地球や人々、動物、植物、生活を支えているモノたちの存在を忘れてはいけないけど。

個人的に地球移住計画の映画は、そういう人間のおろかさや大切ななにかを見落としているという皮肉も込められている気がする。

今という瞬間をないがしろにしてはいけないな。
あとの反動が重力以上に重いものになってしまう。それに気づくのは何億光年も先なのだから。


あっ、きっと二人は子供に囲まれて幸せに暮らしていたんではないかと思います。
幸せと不幸 はいつだって隣り合わせ、だったら幸せがいいね。
Takaomi

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