ルイまる子

ザ・サークルのルイまる子のネタバレレビュー・内容・結末

ザ・サークル(2017年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

サークル社は、フェイスブックやインスタグラムのようなSNSの近未来の企業だが、当社に世界中の人全ての登録を義務化すれば、選挙もネットで出来るし、この世の全ての人の出来事を共有すれば犯罪や悪事は世界中の目で監視出来るし、便利になり、理想の社会になるという思想だ。透明化を礼賛するが同時に監視社会にも耐えなければならない。しかし、自分だけの秘密を持つことは嘘をつくことと同義と捉え、皆どうぞ御覧下さいという態度こそが正しいと経営者のトムハンクスともう一人のおっさんは考えているらしい。ある出来事からエマ・ワトソンがトムハンクスに仕返しのようなことをするが、その時も苦笑い、特に怒りもしない、困惑しただけだった。最近のアメリカ映画は白黒つかない、クラゲのようにこの後も存続していくんだろうな、、と思わせる展開が多い。エマ・ワトソンは終始ノーメイクのジーンズとセーター、ミニマリストのライフスタイルで髪も乱れ髪、何が面白くて生きてるんだろうとも見えるが、このような一流企業で働けて誇りに思ってるんだろうか。あの会社の思想は悪魔のようだが、社員にとっては、楽園のような自由な社会主義国家なのか。ただ、大勢が一体となり、個性もなく会議と言っても、反対意見もなく、全体主義のような危うさ、あまり幸せそうでもなかったし(いや、自由な時間と食べ物も支給されるし寝る所もあるなら十分に幸せなのかもしれない)。エマ・ワトソンは最後にある決意をして何かしら試みようとは思ったみたいだがそれが何かわからないし、どういう方向に進みたいのかわからないまま、これまたクラゲのようなフェイドアウト。折角の大事な友達をなくしたが、世界中に居る何万もの顔も知らない友達がSNS上で常に話しかけてくれるから寂しくないと言い切っていた。生きてることそのものが希薄だ。カヤックに乗ってたのは一人になりたかったからだろう。空に監視カメラが飛んでいたがそれにもすぐ慣れてしまったのかもしれない。
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