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Begottenの消費者のレビュー・感想・評価

Begotten(1990年製作の映画)
2.8
・ジャンル
ホラー/アート/無声/Disturbing Movie

・感想
彩度が低く粗いモノクロ映像の無声映画
それでいて終始不穏な空気を増幅させる奇妙な音や身悶えする登場人物の吐息など最低限の音声で最大限の不気味さと不快さを演出している面白い作風ではあった
‘90年の作品とはおおよそ思えない画質の粗さやシンプルな映像世界も何とも言えない魅力がある
特に序盤は一度観れば忘れないインパクトがあり、過去にブラクラの様な形でよく使われていたのも頷ける

命を賭して自ら血肉を削り“地球の母”を産み出す神
死んだ神の精液を陰部に擦り付け子を孕み捨てる“地球の母”
彼女から捨てられ都合良く連れ戻されるがまとめて謎の集団に殺される“地球の息子”
メインとなるこの三者は恐らく自然と文明社会のメタファーなのかなぁ、と
自殺する神は地球を産んだとされる星の衝突を
地球の母はその恵みを受け生命を産んだ自然を
地球の息子は自然に産まれた生物達を
謎の集団はそれらを破壊する人類を
こういった形でそれぞれがシンボルとなってるのかな
文明が産み出す負のループというか

風刺は割と好きだし世界観もまぁ嫌いじゃない
ただ不気味さなのか現実への悲観なのか分からないけどダークな映像というのに全振りした結果、何が起こっているのか分かりづらい場面がめちゃくちゃ多いという…
それも狙いである可能性もあるけど…

尺が30分くらいだったらちょうど良かったかも
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