・ジャンル
実験アニメーション/ショートフィルム
・感想
1人の少年の視点で向かってくる車を飛び越えたのをきっかけにどんどん高さを増していき世界を巡っていく様を描いた虫プロの実験アニメ作品
ストーリーはほぼ無いに等しいので割愛
少年を主人公に据えたアニメ作品という事から想像出来る物を見事に裏切った内容でドラマ性が無いのに“世界”を感じさせる描写が見事だった
この時代のアニメ作品で実写で言う所のPOVをここまで活かすとは…
手塚治虫の天才たる所以が強く感じられる
ジャンプを繰り返す中で見える物がとにかく素晴らしい
文明を感じさせる街並みや対照的な自然と動物
これらの間を反復する様に進んだ先で現れる物が何とも手塚治虫らしい社会派性を滲ませる
研究者と部族が衝突しているジャングル、銃弾の飛び交う戦地、原爆投下、そして地獄…
「世界は広い」とはよく言うが6分余りの尺で少年がジャンプしながら進んでいくだけの映像でここまで表現してくるというのが観る者を唸らせる…
実験アニメと聞いて身構えていたけど観て良かったと思う