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私、君、彼、彼女のSPNminacoのレビュー・感想・評価

私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)
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1人きりで過ごす部屋に「あなた」はいないが、その後ヒッチハイクでトラック運転手と、やがて女性2人の部屋へと。タイトル通りの構成で、とてもシンプルな一人称の旅だった。
どれも長いショットで断続的に場面が移り変わり、主観モノローグと映像にやや時間のズレを感じさせる。床に置いたマットレスと手紙だけの、時間と空間を持て余したような部屋は、不条理なほどの孤独。他者の不在感。
台詞はあまりなく、その台詞の殆どが運転手による「男の人生」オレ語りってのがすごい(聞いてねえよ!)。手紙をよこさない「あなた」含めて、男は一方的だ。身体においても、全身を使う、全裸になるのは女。前半の中途半端に服を脱いだり被ったりから、組んず解れつ2つの身体が一体化するまで。
待つのをやめ外へ出た女は、「彼女」に迎え入れられる。それが期限付きでも「私」がやや一方的でも、部屋と時間は満たされる。
とりあえず初シャンタル・アケルマンだけど、モノクロで室内の薄暗くなる時間の経過、光線と影の具合はどうやって撮ったのか印象的。あとやっぱ、砂糖袋食いがインパクト大。
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