きゃんちょめ

ククーシュカ ラップランドの妖精のきゃんちょめのレビュー・感想・評価

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フィンランド語、ドイツ語、サーミ語しか話せない三人が出会い、生活を共にする話。会話の噛み合わなさも含めて面白い。

ちなみに、複言語主義plurilinguismというのは、多言語主義 multilinguismeのことではない。多言語主義は、複数の言語を話すひとや共同体があるが、ひとりの人や共同体ごとには、言語がひとつずつしかない状態。英仏2言語が公用語とはいえ、フランス語話者の86パーセントがケベック州に集中しているカナダとか、法律で言語境界線が決められて、その南北にフランス語話者とフランデレン語話者が分けられるベルギーは多言語主義。

また、バイリンガルとかトライリンガルみたいに、ひとりの人のなかで複数の言語能力が共存している場合は、ひとつひとつの言語能力は完璧でも、それが混ざり合わないで複数併存しているならば多言語主義になり、ひとりの人の身につけた複数の言語や文化の体験が、渾然一体となったひとつの能力になっているものを複言語主義と呼ぶ。
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