ぐるぐるシュルツ

ファンキーランドのぐるぐるシュルツのレビュー・感想・評価

ファンキーランド(2012年製作の映画)
3.8
駄目だ、おかしいんだ、しっかりしないと、しっかりやり直さないと。

〜〜〜

ドラッグ中毒の母、二重人格予備軍の妹、別れた父、排他的な叔母。
同級生とも馴染めない。
その中で育ってきたイーライは、お前らのせいでなにもかも上手くいかないんだというように、常に、癇癪を起こす寸前。
才能があったって関係ない。
被害者意識と責任感が、家族という形でうっすら隠されながら、ぐねぐね。
でも彼は気づく。
それを変えなくちゃいけない。今度こそ変えなきゃいけない。
揺るぎない自信というよりは不安と怯え。
でも、それが自信に変わっていくまでの一日。

ジェシーアイゼンバーグを拝みたくなって視聴したのだけれど、やっぱ見ていて飽きない。
今作でも健在なのは、不器用で程よく身勝手で、でも思いやりが垣間見えてくる役柄。この完璧なまでの不完全さ、人間らしさが、僕らをくすぶる。
ラスト直前の母との口喧嘩のシーンはえぐい。
自分のためと母のためが声が震えながら早口でほとばしる。

ダメダメなドラッグディーラー、
陸上選手だったのに今では足を引きずっている。
そして、この言葉。

「やりたいことのために戦えよ。
簡単に手放しちゃいけない。
一度でも手放したら、
もう戻っちゃこれない。」