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ドント・ブリーズのしゃにむのレビュー・感想・評価

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)
3.9
「うちの爺ちゃん3年前から息してない」

もう二度カルピス飲めないねぇ…

↓あらすじ
強盗3バカトリオが次の標的にしたのは娘を亡くした孤独な盲目の退役軍人の家。下調べをし首尾よく忍び込んだが錠前を拳銃で壊した音で老人を目覚めさせてしまう。銃で脅してみると、老人は怖気づくどころか好戦的に3人に襲いかかり、1人を銃殺、窓や玄関あらゆる出口を塞ぎ出るに出れなくなる。残る2人が厳重に戸締りされた地下室へ逃げ込むとそこには見知らぬ女性が飼われていた…

・概要
高校3年間教室で息をしなかった気体状生命体である自分も呼吸を止めた息も止まる問題爺ィの恐怖(触れてはいけない過去) 要するに強盗に入った阿保な若者達が(老人とは思えない)元軍人の老人に返り討ちに遭う間抜けな話なのだが同情するくらいやり過ぎる。怪物と人間の違いは話が通じるかどうかであるがこの老父は前者。警察に自首すると素直に申し出ても聞く耳もたずに息の根を止める。盲目というハンデはあってないようなもので問答無用で拳銃をぶっ放し、特殊部隊に居たとしか思えない腕っぷしで血祭りに上げる。息を殺し身を潜めていると、ヌッと音もなく現れ、拳銃をあちこちに突きつけるシーンはとても生きた心地がしない。エイリアンに見つからないよう身を隠しながら脱出するかのような、息も出来ない緊迫感が堪らない。老人の怪物じみた容貌、地下室に監禁された女性の正体とは、そこで行われている事…ドアの隙間から漏れる狂気に言葉を失う。息を殺す時に自分の口臭がキツすぎて半日間失神したことあるのでブレスケアは必携である。

・テクノロ爺
強盗する時も誘拐する時もそうだが下調べがその後の運命を大きく左右する。元グリーンベレーくらいならまだ平気だが元コマンドーや元特殊部隊などと来たら絶対に対象にしてはいけないのは全人類の常識である。今作で不運にも(どっちが不運なのか分からない)強盗に入られたのは元軍人だから例によって強盗は撃退されるのだと予想出来る。しかし予想は予期せぬ方に転ぶ。盲目という設定だから多少は強盗側にアドバンテージがあると思い舐めてかかると痛い目を見る。接近戦に持ち込んだらまず死ぬ。反撃しても悲しい哉、幾多の戦場を生き延びた歴戦の戦士にはへなちょこパンチ(ヤムチャのデコピン)全然ダメージを与えられずに首を絞められ、もしくは銃殺されるだけ。衰えることを知らない全盛期並の戦闘力を有しているので生半可な若者達では太刀打ち不可能。若者達は狩られる側で知恵を絞るしか生き延びる術はない。盲目という設定上、視覚で発見されないメリットがあるが唐突に背後から現れ、いつ発砲されるか分からない銃口を向けられたらまともに平常心を保てるわけがない。動物の行動が読めないのと同じくらいに読めない。メリットがむしろデメリットになる。無闇に恐怖を助長させる悪趣味な効果を発揮している。いっその目が見えた方が発見されたと把握出来るから有り難いくらいだとすら思う。この盲目問題爺ぃはアルパチーノ並の好演である。

・原液ならぬ現役
女性ならトラウマになるかもしれないが地下室での出来事が衝撃的である。地下室にはクッションで覆われた四角の箱がある。箱の中には紐でがんじがらめにされた女性がいる。まるでペットみたいに飼われているかのような扱いだから、世間一般に言うこれが箱入り娘かぁ…なんて呑気なため息が出た。生憎そんな可愛いものではない。女性の正体や監禁されている目的については伏せるが、まぁ衝撃的だったのが地下室の冷蔵庫にお爺さんのコドモノモトが保管されていたこと。初めは「カルピスの濃いめの原液か」と思ったがその後の怒涛の展開に言葉を失った…「え、え、え、原液じゃなくて現役⁉︎」 (軍は退役してもまだまだ現役である)いや…髪の毛浮いてるし…どれほど爺ちゃん自慰ちゃんしたんだ…想像しただけでギョッとした。イタリアじゃなくてアメリカの種馬。まさかの種付に完敗…もう二度とカルピスは飲めない。
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