分かる。分かります。
この作品が賛否両論なのは。
結局、この黒沢清ワールドに乗れるか乗れないかだと思う。
サイコサスペンスだと思って観るとまず失敗します。ツッコミ所ばかりになる。
かと言って幽霊が出てくる訳ではない。
現実と異世界の狭間の黒沢世界なのです。
突拍子もない美術や脚本に思えるけど、丁寧に丁寧にこの世界観の証拠固めをしている。
例えば川口春奈さんと西島秀俊さんのやりとりの場面。
一見すると事件の真相に迫るためのシーンに思えるけど、結局は本筋にはほぼ関係が無いので必要だったのか?と思ってしまう。
でも最後まで観ると、実はあれは西島さんの本質を提示するためのやりとりだったことがわかる。
言うなれば今作は
闇の魔法使い兼協会理事香川デモートvs西島ハリーなのです。