このレビューはネタバレを含みます
心に沁む一本でした。
本木雅弘さんの演技は全般素晴らしかったと思います。奥さんが生きてる時も亡くなった後も、随所に光る憎たらしい態度。演技と分かってても腹が立って来ました(笑)その一方で見せる子供とのふれあい方のギャップが凄いですよね。
で、そのギャップに対して「子供を逃げ道に使うな」と指摘を受けるところ、観客(というか僕)の心情を代弁されてしまった感じ。あと伸びていく髪に時間の経過を表現させ、最後にそれを切るというのはとても印象深かったですね。とにかく、どのシーンを取っても本木さんの役者としてのレベルの高さが感じられました。
あと、竹原ピストルさんも本木さんと対になる魅力(とダメなところ)が出ていていい役でした。もちろん子役の2人も。出演シーンは限られているものの、深津絵里さんの存在感は作品全体に広がっているような気がしました。
そして結末。結局のところ、取り返しのつかないことをしてしまった時に、気持ちのいい終わり方をしてもしょうがなくて。ただ、それを受け取り自分の中に持ち続ける、そんな感じで納得できる〆だったように思います。