えーこ

永い言い訳のえーこのレビュー・感想・評価

永い言い訳(2016年製作の映画)
3.2
"もう愛してない。ひとかけらも。"
オープニング、たった数分の夫婦の会話で、
それぞれの性格、その関係性をわからせるのがスゴい。
夫の携帯が鳴る…、一瞬の沈黙…
妻は夫の浮気を知っている。

"先生は、誰のことも抱いたことはない"
愛人が言ってたように、自分しか愛せない人間。
葬式でも、妻を亡くした悲しみよりも、
自分のカメラ映りを気にするような男。
それが面識のない妻の友人の子供の世話を買って出る。
小説のネタになる、"子供は免罪符"なんて台詞もあったけど、、
ただの子育て奮闘記みたいになっちゃってなんだかなー

妻を失い、初めてその存在の大切さに気がつく…
て話かと思ったら、、
孤独が嫌だから、人と関わろうとして、
自分が誰にも愛されていなかったことに衝撃を受けて、
拗ねてるだけ。
結局、彼の言葉が響いてこないのは、
こんなこと出来ちゃう俺ってサイコーて自分に酔ってる感があるから。
分かったようなことを言って、たぶん何もわかってない。
これからも彼は言い訳をしては、
償いまがいなことをして、自分を正当化して生きていくのだろう。
えーこ

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